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“出会い”が人をつくる。武正晴&山田孝之が語るNetflixドラマ『全裸監督』(ぴあ)

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出典元: 武正晴監督、山田孝之

Netflixオリジナルシリーズ『全裸監督』が全世界での配信をスタートした。本作は、1980年代にアダルトビデオの世界で数々の作品を発表し、日本中をわかせた村西とおると仲間たちのドラマを描いた作品で、全8話のエピソードの中に個性的なキャラクターが次々に登場する。総監督を務めた武正晴と主演の山田孝之は、“人との出会いが村西をつくった”という。ふたりに話を聞いた。

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北海道で英会話の教材のセールスをするも冴えない日々をおくっていた村西は、会社が倒産し、妻に浮気され、どん底の状態の中で偶然に“エロ”の世界に足を踏み入れ、仲間たちと業界に殴り込みをかける。そこで村西は新たな仲間に出会い、商売敵の妨害に遭い、助けられ、裏切られながら、日本中に旋風を巻き起こしていく。

本作は本橋信宏の著書『全裸監督 村西とおる伝』が原作で、山田は「原作の帯の文を読んだ時点で出演を決めました」と笑顔を見せる。ちなみにそこに書かれているのは“人生死んでしまいたいときには下を見ろ! おれがいる。”の文字。「こんなに面白い人はなかなかいないですから、全力で向き合って演じることができたら、絶対に面白くなると思いました」

しかし膨大なエピソードと登場人物が絡み合う村西の物語を8話のエピソードに落とし込むのは「紆余曲折あった」と武監督は振り返る。「シナリオをつくる段階でまず“このシリーズはどこから始めるの?”という議論があって、あらゆるパターンが考えられました。どのパターンもすごく面白くて、さらに“どこで終わるの?”っていうのも、いろんなパターンがあって……最終的には一番オーソドックスに時系列に描くことに落ち着いたんですけど、そこにいたるまでは紆余曲折がありましたね」

当初は村西がアダルトビデオの世界で強烈なキャラクターを発揮している段階から物語を始める案もあったという。しかし、武監督とスタッフは「村西とおるは“怪物”ではないというスタンスで作り始めた」と語る。「だから、村西が教材のセールスマンだったところから物語を始めて、“あれ? 意外と普通の人じゃん”って思っていると知らない間にすごく変わってる……でも、それって普通の人もそうじゃないですか? 立場に変化があると、その人も変わりますから」

山田も「誰もがその場で求められているスイッチを押している部分はあると思う」という。「村西さんご本人にお会いすると“村西とおるになるスイッチ”を入れてから喋る人だなって感じたので、結果的にカメラ前に立つとスイッチが入るし、それは英会話の教材を売る時にこれまでとは違った話し方をするスイッチを入れてみたら楽しくなって、人からも認められてやめられなくなって……それが“教材を売る”から“エロをつくる”に変わったんだと。そこは意識しました。でも、みんなそうなんじゃないですかね。トランプ大統領とかもそうだと思うんですけど、きっと“その場に求められているスイッチ”を押しているだけで。だからオン/オフがはっきりと見えた方が人間らしいし“この人もいろんな想いをしながらも、がんばってやってたんだな”って思ってもらえるんだと思います」

ふたりが語る通り、本作では主人公・村西が観客の想像を上回る状況やピンチに立たされたり、時に周囲を絶句させるような状況を自ら作り出して、その度に村西自身が変化していく。「この物語は“人と人が出会う”話ですよね。だから、感染することもあるし、世知辛い部分や別れもあるんです」(武監督)

だからこそ製作陣は村西のドラマを描くだけでなく、彼が出会う人々のドラマを丁寧に描き、キャスティングすることにこだわった。「村西さんが面白いのは、彼が出会った人たちの面白さでもあるので、彼が出会う人を誰にしたらいいんだろう?っていうのが重要でしたね。仲間にせよ敵役にせよ、彼が出会った人たちを吸収して“村西とおる”が出来ていく。だから、キャスティングにはとにかくこだわって、スタッフに“1回しか出ない役なのにこの人にオファーするんですか?”って怒られても、とにかくダメ元でもいいから聞いてみてくれって」(武監督)

その結果、本作は8つのエピソードに強烈な個性をもつ俳優陣が集結した。山田は「何回観ても“キャスティングすげーな”って思うし、“出てくるタイミングも最高だなぁ”って毎回思う」と笑う。「なかなかこのメンバーが揃わないですよね。でも、この人たちが村西さんをつくっていくわけだし、8話をトータルで観た時に残るものをつくっていくんですよね」(武監督)

本作は、過激な世界を描いた作品でもなければ、怪物的な個性の主人公を描いた作品でもない。すべてを失い、孤独で、さみしさを抱えている男が似たような状況にいる仲間に出会い、それまでの人生では考えられなかったような相手と対峙し、運命の女優との遭遇する中で“村西とおるになるスイッチ”を育て、時に制御できなくなるほど振り回される様を描いている。「出てくる登場人物が面白いので観てもらいたいですよね。1980年代だったのでアダルトビデオの世界が出てきますけど、要は何かを“生業(なりわい)”にしているヤツらが、その世界にもっと入っていこうとする話なので……そういう意味ではすごく面白いものになったと思います」(武監督)

『全裸監督』
Netflixにて全世界独占配信中






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